書評:「読んでいない本について堂々と語る方法」 ピエール・バイヤール
この記事は takanorip Advent Calendar 2021 6日目の記事です。
「読んでいない本について堂々と語る方法」 ピエール・バイヤール
タイトルはかなりふざけてるように思うが、中身は意外と真面目な読書論を扱う哲学書?であった。
ハウツー本のようなタイトルだがハウツーみたいなことはほとんど書かれておらず、既存の読書に関する固定概念を細かく検証し反論するいかにもロックな本だった。
読書論について書かれた本は数あれど、本を読んでいないことを前提に書かれた本はこの本くらいだろう。
この本は3部構成になっている。
第一部では本を読んでいないとはどういうことかを整理し、第二部で誰の前でその本について語るのかについ論じ、最後は読んでいない本について語るときの心構えについて語っている。
それぞれの章で述べられている著者の意見も面白いのだが、様々なところに散りばめられた有名な文学作品や著者の解説も非常に面白かった。
僕は文学作品についてあまり詳しくないのだが、それでも楽しめる内容だった。