takanorip blog

最近ウイスキーの収集が楽しい。ウイスキーは開栓後も比較的長く楽しめるお酒であること、開栓しなくてもコレクションとして持っておけるところなどが気に入っている。もちろん味も好き。

世界には幾千ものウイスキーがあり、日々新しいウイスキーも発売されているが、僕にとって The Macallan は特別だ。

僕が The Macallan と出会ったのは、大学生４年目の冬だった。

ある日僕はとある人と待ち合わせをしていた。深夜の待ち合わせでカッコつけたかった僕は、バーでその人と待ち合わせることにした。

部活のOBの先輩に連れて行ってもらったことはあれど、一人でバーに来るのは初めてであったため、僕は緊張しながらバーの重いドアを開けた。そのバーにはカウンター席しかなく、僕の記憶ではかなり狭いお店だったと思う。薄暗い照明の中、僕はそわそわしながら席についた。

度数の高いお酒を飲みたい気分であった僕は、マスターに「ロックで飲むと美味しいウイスキーはありますか？？」と訪ねた。そのときマスターが出してくれたお酒が「The Macallan Fine Oak」だった。（熟成年数は忘れた。たぶん12年だった気がする。）

それまで飲んでいた安いウイスキーとは違いアルコールのピリつきはなく、複雑で華やかな味わいが鼻を抜けていった。その瞬間が僕の記憶に焼き付いて、今も忘れられない。後で伝票を見たときは冷や汗をかいたが…。
ウイスキーとはこんなに味わい深いお酒なんだと気づかせてくれた1杯でもあった。わかりやすい味ではなかったが、大人の階段を1つ上った気がした。

後々なんでオーソドックスなマッカランではなく Fine Oak を出してくれたのかなと疑問に思ったが、おそらく僕が若い見た目をしていたから軽めで飲みやすい Fine Oak をあえて選んでくれたのかなと勝手に思っている。

正直決してコスパの良いお酒とは言えない The Macallan だが、僕はこれからもあの日の思い出とともに飲み続けていくだろう。