takanorip blog

双極性障害が治ってしまうことがこわい

2024年7月15日

僕は今双極性障害という病気の治療をしている。

思い返せば、僕は軽躁状態でいろいろなことを乗り越えてきた。
軽躁のときの根拠のない万能感、なんでもできる気力と体力、理想状態の自分があった。
まあそんなに仕事できる人間でもなかったが。

一度軽躁状態での働きを見てしまった人からは、その後もその時の能力を基準に自分を判断されてしまっている感覚がある。
そしてうつ状態になったとき、軽躁だった自分との落差が激しく多くの人は戸惑う。
仕事をサボっているんじゃないかと思われたことだってある。(実際ができない状態ではあったので相手は悪くない)

もちろん僕だって戸惑っている。軽躁状態のときとうつのときの落差が大きいので、毎回とても苦しくなる。
昨日まであんなに仕事できていたのに、なんで今日はこんなに何もできないんだと、消えてなくなりたいと思う。

軽躁状態のときの自分を基準に考えられてしまうのはつらいけど、そんなパワフルな自分にもうなれなくなってしまうとなると、それはそれで苦しい。
今まで軽躁状態のパワフルさでなんとなく困難をやり込めて生きてきたのに、それがなくなったら僕はどうしたら良いんだろう。

双極性障害の治療をすることで安定した生活を送れるようになる安心感と平凡な人間になり腐ってしまうのではないかという恐怖が両立している。

軽躁状態が来ない、平凡な仕事しかできない自分を、誰が欲してくれるのだろうか。

答えは出ないので今日も薬を飲む。

takanorip

digital design engineer. X: @takanoripe