デジタルから脱出したい
2024年12月30日
デジタルから脱出したい。
生成AIの出現によってデジタルプロダクトの開発はとてもつまらないものになってしまった。人間がうんうん唸って開発していくのが楽しかったのに、今じゃAIが正解(らしきもの)を何でも教えてくれるようになってしまったし、今後その精度はますます上がっていって本当に正しそうなことを正しそうに言うようになっていくのだろう。
生成AIによってソフトウェアの大量生産が可能な時代がやってくる。誰でも安価にソフトウェアが作れる時代。つまりソフトウェアを作るという仕事は安い仕事になってしまう。終いには「ユーザーが自分の好みに応じてUIを生成できるようにすれば良い」とまで言い出す人も出てくる。これほどつまらないものはない。僕がソフトウェア開発で好きだった部分が全部生成AIに奪われてしまった。最悪だ。
さらに悪いことに大量生産されたソフトウェアと人の手でつくるソフトウェアになんら違いがない。スーツや革靴も大量生産ができるが、大量生産品は質が落ちるので高級なハンドメイド品も完全には駆逐されず生き残っている。しかしソフトウェアではそうはいかない。生成AIが作ろうが人間が作ろうが動作は変わらない。
デジタルプロダクト開発は「ものづくり」ではなくなっていく。
ということで2025年はデジタルからの脱出をするための準備をしたいと思う。
人間が価値を失わずにものづくりができる領域は「人間の身体性に依存する分野」に絞られていくと考えている。音楽、漫画、映画などのエンタメ分野、食品に関する分野、人間が使う道具をつくる分野などだ。
生成AIはデジタルコンテンツを学習リソースにしているので味覚触覚などに関する学習は(まだ)できないし、重力や光などの効果を学習することもできない。そういった生成AIが学習できない分野におけるものづくりの価値が今後いっそう高まっていく可能性がある。
いつデジタルプロダクト開発の仕事がなくなっても困らないように、ものづくりができるスキルを身につけていきたいと思う。そのほうが面白そうだし。ものづくりをやっていきたい。