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デザインエンジニアはスキルを広げるべきか深めるべきか

2025年6月19日

機能登壇したイベントで「デザインエンジニアはスキルを広げるべき深めるべきか」という問いをもらった。良い問いかけをもらったので現時点で考えていることを書いてみる。

デザインエンジニアはスキルの幅を広げるべき

僕はスキルを広げるべきだと思っている。

デザインエンジニアはデザインとエンジニアリングを横断する人間なので、いろんな人を巻き込む必要がある。スキルの幅が広ければ様々な職種の人を自分のプロジェクトに巻き込みやすくなる。よって僕はスキルの幅が広ければ広いほど良いと思う。

たまにそういう人を器用貧乏だと揶揄する人もいるが、僕はそうは思わない。浅く広く知識をもっているということは距離の遠いスキルをかけ合わせた仕事ができるということで、広く知識がないひとにはこれは真似できない。

デザインエンジニアの価値もそういうところにあると思う。イラストレーターだけではイラストシステムを作りたいとはならないかもしれないが、そこにエンジニアの視点が入ることでイラストをシステム化しようという動きができる。構造化して仕組みをつくるというエンジニア的な働きと感性を働かせて感情に訴えるデザインを考えるデザイナー的な働きをかけ合わせるのがデザインエンジニアであり、かけ合わせるスキルの距離が遠ければ遠いほど価値が出るはず。

広さが深さになる

イベントでは深さか広さ、どちらかのスタンスを取れということだったのでこの話はしなかったが、広さを追求することで深さも出ると個人的には考えている。これは要はバランス的な話ではない。スキルが広がっていくと、一見関係なさそうな知識どうしが線でつながっていくことがある。それが繰り返されることで既存の知識やスキル、ひいてはデザインエンジニアとしてのスキルが深まっていく、と考えている。

視野が狭くならないようにしたい

少し話はずれるが、デザインエンジニアたるもの視野を広く持っていたいなと思う。デザインとエンジニアリングの狭間にとらわれてしまって周りが見えなくなってしまったら元も子もない。デザイナーとしての視点、エンジニアとしての視点、プロダクトとしての視点、いろんな視点からものを考えられるようにしたい。そのためにも幅広くいろんなことを知っておく必要があると思う。

生成AIの時代だからこそ博識であれ

今では生成AIがなんでも答えてくれるようになった。これはとてもとても便利なことであるが、平気な顔で嘘をついてくることもあるし、まったく見当違いのことを言っていることもある。特にインターネットに十分な情報がない過去のことや最先端の最先端のことなどは不正確な回答をしがちである。また生成AIは非決定論的な振る舞いをするので同じことを聞いても違うことを言うかも知れないし、モデルを作成している国や企業の政治的意図が反映された回答をする可能性だってある。

これらのことに対処するには自分も知識で武装するしかない。インターネットで騙されないようにするために知識が大事であったように、LLMから身を守るためにも自分の頭の中にある知識というのが本当に重要になってくる。幅広くいろんな分野のことについてなんとなく知っていることの価値が今まで以上に跳ね上がるだろう。

みなさんはどう思いますか?

なにか言いたいことがある人は是非飲みに誘ってください。

takanorip

digital design engineer. X: @takanoripe