takanorip blog

マネージャーは人間の話をしろ

2026年9月23日

最近誰も彼もAIの話をしている。

新しいモデルがどうのとかハーネスがどうのとか、日々何かしら新しそうなものについて話をしないと気がすまない様子だ。当初あれだけ驚き屋を蔑んでいた人ですら、口を開けば驚きやと同じようなことを喋っている始末だ。

まあプレイヤーとして仕事をしている人はそれでも良いだろうが、マネージャーであると公表しておきながら、SNSやら勉強会やらでAIのことばかり喋っている人のことはなかなか看過できないなあと思っている。自分の上司がSNSでAIのことばっかり発信しているの見たら、僕はけっこう不安になる気がする。自分の評価者がこんな感じで本当にちゃんと自分に向き合ってくれるのかな…とか。

マネージャーの一番重要な仕事は組織運営を円滑にすることじゃないのか?それも組織によって違う?そのためにメンバーの評価や育成をし、目標設定や役割の定義などを行い、事業計画とメンバーのパフォーマンスの間に挟まれながら、いかにチームとしての出力を最大化するかに向き合うことがマネージャーの本分じゃないのかな。もしそうでないとしたら、それはマネージャーという肩書であっているのだろうか。わからない。

まあマネージャーの仕事にはかなりセンシティブな情報がついて回るので、外で話せる話題を選んだ結果AIのことになるというのはある気がするが、それにしてもAIを使ってどうのこうのばかり言っているマネージャーは本当にマネージャーとしての仕事をしているのか疑いたくなるし、そんなやつの言っていることをありがたがって聞いている界隈にもモヤモヤが募る。そんなにAIのことやる前に読むべき本とか解決するべき課題とかあるんじゃない?マネージャー2年目の僕が偉そうに言えたことじゃないというのはそうかも知れないが、それでもなんかモヤモヤする。

ただそういうマネージャーの気持ちもわかる。なぜなら人間は難しいからだ。人間は本当に難しい。常にN=1な問題に悩まされるし、体系化された知識が全く役立たないときもあるし、センシティブな問題が発生して誰にも相談できず苦しむことだってある。人間に向き合うことはつらく大変なことだ。それに比べてAIは素直に言うこと聞いてくれる、素晴らしいパートナーだ。ハーネスとか自動化とか整備すれば仕事した気分になれるし、AIにまかせて仕事が進んだ気分になれるし、AIと仕事をしたほうが人間に向き合うより遥かに楽で簡単だ。だからAIに逃げたくなる気持ちもわかる。

でもこんな時代だからこそ、僕は人間に向き合う価値があると思っている。やはり何をするにも最終的には人間力とか信頼度とか一体感とかそういうものの影響がでかい。作業はAIで早くなっても人間同士がうまくやれてないと良いものはできないし、やりたいことも実現できない。世の中そんなに簡単じゃないのだ。泥臭くコミュニケーションをとって人間に向き合って、N=1の問題を少しづつ解決していくしか、持続可能な開発組織をつくる方法はない。今までもこれからも。

まあこんなこと言っておきながら全然できてないことたくさんあるんだけど、少なくとも自分はAIに逃げたりしないぞ、という決意を新たにした、というお話しでした。(もちろん補助ツールとしてAIを使うことはやっているけどね)

takanorip

digital design engineer. X: @takanoripe